空想科学祭2010 感想・レビュー掲示板

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[108] 「燕と夜叉」俊衛門 Name:空想科学祭実行委員会 Date:2010/10/01(金) 23:23 [ 返信 ]
【題名】燕と夜叉
【あらすじ】
あたしが失ったもの、得たもの、全てがあの空にある――ある時から人類を脅かす存在となった、異星からの侵略者「仮性体」。天使と夜叉の名を冠する彼らに空を奪われ、地上に磔にされた人類。最後の手段として人は、倫理も尊厳も全てかなぐり捨てて"夜叉"たちへの牙を生み出した。希望、あるいは兵器として造られた子供たち。 その一人。燕玲と名付けられた少年を預かることになった潘金麗。かつて故郷を失い、父を憎むことで生きてきた金麗。その父が遺したものに複雑な思いを抱き、その中でまた父と、故郷に思いを馳せる。手探りの未来と顧みない過去との狭間で、戸惑いと共に奇妙な共同生活が始まった――
【名前】俊衛門
【区分】長編(完結済)
【URL】http://ncode.syosetu.com/n0808o/



[125] 「燕と夜叉」感想 Name:鳥野 新 Date:2010/10/05(火) 01:36
 エヴァの使徒を彷彿とさせる仮生体。と、思いましたが、作者が描く世界のオリジナルな雰囲気がそんな瑣末なことを瞬く間に凌駕してしまいました。
 これが、本で売られていても違和感のないような安定感。
 繊細な筆で金麗の少年に対するぶっきらぼうだが、必死な愛情が生々しく伝わってきます。感情表現が、抑えた筆致の中にあふれ出してくるようで感嘆しました。とくにアミヤとのクールなそれでいて絶妙の距離感がバター茶で描かれるくだりは、唸ってしまいました。
 十二章は本気で涙……。
 SFなんだけど、しっかりした人間ドラマを堪能させていただきました。
 今回読むもの読むもの皆レベルが高くてたまりません〜〜〜!


[163] 感想 Name:美鈴 Date:2010/10/10(日) 10:37
 所謂セカイ系である。私が真っ先に類似を思い浮かべたのは、内容は全く違うものの「最終兵器彼女」(この場合「彼」か)だった。勿論「エヴァ」や「ガンパレ」のセカイ観でもある。若い方が参加者にも読者にも多い様子なので受け入れ易いだろう。

 こう決め付けてしまうとラノベの典型と思われてしまうのだが、本作は作者の力量が遺憾なく発揮されたので、読み進めれば類似云々を置き去りにさせる。先のレビュアーの示した通りである。
 相変らず文は硬質且つ読み易い。主人公たちの掛け合いや行動、仕草が丁寧に描写されている。
 部分部分、端折った感もなくはないが、穴までは至らない。総じて上手く纏めた。
 それに、表主題ではないが金麗とアミヤの関係。これが作品に色を添えている。
 また、この手の作品は予定調和を目指す方が受け易いが、安心(?)なことにきっちりその方向へ着地する。そう、ある意味バッドエンドである。

 ひとつ気になるのは、見え隠れする作者の某国嫌い(笑)
 確かに昨今の状況から致し方がないのだろうが、まあ、未来史としては十分可能性がある展開なのでそう嫌味ではない。但し、今後、この手の作品を書く時には、一度中立の視点で書くことをお勧めする。
 なぜなら、イデオロギーの臭いがするエンターテイメント作品は、反対側から見ればプロパガンダでしかないからだ。そんなことで作品にケチが入るのは勿体無い。まあ、大したことではないので気に留めるだけでいいと思う。


[246] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:ロメル HOME Date:2010/10/20(水) 10:03
燕玲萌え!
萌えればいいってモノではない?
萌えないモノに何の意味があるのだ!?

燕玲萌え!大事なことなので(ry
男?
種族の壁を超えているからそんなことは関係ないのです。


[262] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:壇 敬 Date:2010/10/22(金) 01:32
 拝読しましたので、インプレッションを書かせていただきます。

 御見逸れ致しました。
 序盤から引き込まれ、気が付いたらページを重ねている始末。そして、読み進めることすらもどかしい程にストーリーの行き着く先を求めて、一気に読んでしまいました。読み終えた今は、ただただ賞賛するしかないという心境です。
 背景や風景の緻密な描写、軽妙だけど計算された会話の数々、それぞれを描写する表現、そして、地の文に脈々と流れる金麗の心理描写にはボディブローを食らいました。更に、ゆっくりとだが確実なストーリーの構成と話の骨格を成す伏線の絶妙な配置にも脱帽です。切り捨てられた月に移民した人達。読み進めている時にふっと思っていた部分が、後で如実に明かされる事実につながったことに気付かされた時、僕はノックアウトでした。この伏線だけで、僕は十分勉強になりました。
 ホントに、良いストーリーを読めたことを幸せに思います。ありがとうございました。

 乱文、失礼しました。


[263] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:じょーもん Date:2010/10/22(金) 14:32
 美鈴さんも書かれていますが、アミヤと金麗の微妙な距離感と、それから引き篭もる家族とも言えない二人の距離感を、直接表現するのではなく、丁寧な描写でかもしだしていく手法が絶妙でした。

 もうちょっと、燕玲自体の心の動きが絡んだものを見たかった気もしたが、それでは時間も文字数も足りないだろう。イベントに参加するということの功罪を両方感じた作品だった。
 もうすこし、じっくりと心に踏み込んで表現するに足るテーマだと思った。

 幸せな子供だったことがなく、なりたかったわけでもない母親のような役割と、成長する子供と距離感が保てずに、不安と鬱屈をそのままぶつけてしまう、あらゆる意味で不安定で中途半端で、ついでに自分の感覚の延長でしか世界を捉えることができない金麗を中心に、壮大なテーマを切り取るという描き方は上手いなぁ…。

[270] うまー Name:栖坂月 Date:2010/10/22(金) 21:51
上手い、上手いですよ、これは。
正直非の打ちどころがなくて気に入らないくらいです(笑)
好き嫌いという個人的要素を排したとするなら、最も評価される作品の一つであろうことは間違いありません。文章、描写、展開の速度と妙、いずれもが高レベルにあります。特に心情描写、滑らかで凹凸の少ない表現が並んでいるにも関わらず、転換期における説得力と爽快感を表現しているのは見事でした。この辺が強引だと、どうしていきなりそんな風に考えるんだと、読者を置いていくことになりかねませんからね。
それは私の作品でした。ごめんなさい。
その中で一つ、実に些細なことなんですが違和感があったのは父親の真意でしたね。何を思って預けるなんて思ったのかと、色々な理由が考えられはするんですが今一つ納得しきれなかったという感じがします。新しい弟としてならまだわかるかなと感じたのですが、そんな意図って感じでもなかったように見えましたし、本当に遺す気があるなら何かあったんじゃ、とか考えてしまいました。あんな気味の悪い(失礼)赤子を託したら、そりゃ反発するだろうし、その程度はわかっていただろうにと。まぁそれでも尚って感情は理解の範囲内ですし、特に男親ってのはとかく子供の欲しがっているものを理解してないもん(笑)ですから、そういう父親だったのだろうと思ってはいますが。
ちょい難癖つけちゃいましたけど、面白かったことは掛け値なく事実です。こういうビリビリと迫ってくる小説、私も書かないといかんのでしょーなぁ。
楽しませていただきました。


[278] ウルウルウル……感動…… Name:招夏 Date:2010/10/23(土) 18:09
こんにちは、拝読しました。

…………
言葉が出ません。すっかり作品世界に呑み込まれて……感動してます。

健気で強い燕玲と、心に硬い鎧を纏った脆い金麗、そしてすべての感情を鋼の仮面で覆うアミヤ、この三つのキャラが実によく立っていて、あっという間に物語の中に引き込まれていました。あ、勾玉のネックレスをくれた兵隊さんも良い味わいの輝きを添えていたと思います。

少しずつ歪な人間が集まって(金麗の両親然り、夜叉然り、その他のメインキャラ然り)、この物語の世界を完璧なものにしているようで、ピースの多いパズルが完成して、ほれぼれと見つめているような、そんな後読感を堪能しています。面白かったです。お見事!

ちなみに、去年はギリギリアウトだった俊衛門さんへの感想付け、今年は間に合ったぞ〜(やったね!自己満足です。すみません(汗))

誤字発見

56ページ
>駐車器を燕玲の首に押しつ
け、引き金を引き、同時に

注射器ですよね。

[316] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:尚文産商堂 Date:2010/10/27(水) 12:48
どのような生物にも進化はありますが、それが、同種のものであろうとも突如として的となるということもありうるという作品でした。

生物が進化をするというのは自然の摂理ではありますが、その方向は、時として世界を滅ぼす方向へ進むこともあります。その時の人類の動き方というのを、考えさせられる作品に仕上がっていると思いました。

[324] ちゅどーん… Name:饅頭は空を飛ぶ Date:2010/10/29(金) 06:10
自分、最後読み間違えてないだろうかと一抹の不安を抱えつつ。拝読しましたので感想です。失礼します。

背景描写と、雰囲気を壊さない安定した文章。冒頭からの引き。出だしから、お見事でした。分かり易い設定にも申し分ないですね。いやしかし、何だか丸くなりましたか(笑)? 今年はキッチリ書いてきたー! と思いながらの反面。世界観は硬質…だろうけれど、主眼が女性人物、時折入る自然風景のおかげか、上手く緩和されて心地よいものに仕上がっていると思いました。時間に追われながらも(重複等誤字が多い苦笑)ご自分の好きなものを書き切ったんでしょうかね、そんなことをも、ふと思いながらの読了でもありました。最後まで一気で面白かったです。いいなあ、どの人物にも魅力があって。燕玲、名前にも最後で魅かれましたよ。儚さがツボでしたかも。
しかし最後って…バッド…えんどで…(解釈に自信なし)。まあいいか? いいのかな? 微妙な余韻だったのですが、まあ気にしない方向で(笑)。

さてそれでは、ここいらで失礼します(夜が明けたっうお汗)。
企画作おつかれ様でした。面白かったです。


[327] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:石神航 Date:2010/10/30(土) 21:57
 自分が本当に金麗になってしまったのではと錯覚してしまうほどに、感情の流れや葛藤が痛いくらい伝わってくる。ひしひしと棘のように刺さる生の感触は、とても辛いのだけれど心地いい。
 彼女の苦しみというのは、現実味がないのに与えられた使命と、目の前で起きていることをまともな事象として捉えきれない自分との葛藤なのでは。子供を育てたことのある人なら、なんとなくわからないでもないだろう、「いつの間にこんなに大きくなって」を、時差をもって感じる。あの感覚というのは、確かにどこかSFめいている。
 金麗とアミヤの、互いにギリギリのところで保っている関係というのは、ある種素晴らしいと思う。互いにストイックでいる、決して自分の口からは、本音は言わない。そして燕玲も、ほんの短い命の中で、自分の存在価値や愛について考え始める。巧い。このバランスというか、雰囲気というか。憂い、ノスタルジックで力強く、自分の主張をずっと隠していて、誰かに本質を見極めて欲しくて、そんな作者の信念が見え隠れする。
 確かに、金麗の途中の行動については、首を傾げる人もいるだろうが、私には多少覚えがある。それは、全くの疎外感をどうして払拭していけばいいのかと、一度なりとも悩んだ人間なら、共感を覚えるだろう。燕玲の奇妙な成長や自分の秘密等々、彼女の蟠りも、ちくちくと伝わってきた。
 勿論、ああいう結末しか浮かばない内容であるのだし、多少なりともそれを臭わせていた分、唐突に違う展開になっていくとは全く考えも及ばないわけで、それについては文句はない。
 注文を付けよと言うならば、彼女の両親という存在の大きさが、読者に多少伝わりにくい部分があったと言うこと。恐らくは、母親に関しては、子供にとっては常に母親でいて欲しいという子供の心情であるのだろうし、女の部分を強調されてしまうと興醒めしてしまう、否、母親でなくなってしまうのではないかということなのだろう。その気持ちを、やはりもっと強調してみれば、金麗の身の置き方について更に掘り下げることが出来たのではないだろうかと、思うのである。


[381] RE:「燕と夜叉」俊衛門 Name:俊衛門 Date:2010/11/09(火) 22:34
セカイ系って、そういえばロクな終り方しないんだよなー……「おめでとう」だの「気持ち悪い」だのって。

それはともかく、感想御礼。

>鳥野新さん
言われて気づきました、確かに使徒っぽい(笑)

あの辺、バター茶のくだりはそれほど意識していたわけでもないんですが、うまい具合に合致したようで。それはそれで良かったです。バター茶って飲んだことないけど。外観も「セブン・イヤーズ・イン・チベット」ぐらいでしか見た事もないから良く分からないけど。なんか白っぽいお茶ってだけで(何
まあともあれ、ありがとうございます。しかし、涙は大事な時までとっておきましょう、拙作ごときに安売りしては(笑)

>美鈴さん
某国嫌いというご指摘に少々面食らっているんですが。こんなにもっ! かの国への愛にっ! 溢れているというのにっ!

冗談はさておき、今作は殆どあなたへ挑戦するために書いたような物でして。だからまあ、どんだけメッタ斬りに鱠にされるか戦々恐々としていたわけですが、意外にもお優しいのですねw 
まあ、去年あなたに発破をかけられたお陰で、少しだけ自分の持てる武器が広がったような気がします。しかし、まだ完全にあなたからの宿題を消化し切れたとも言えないのでもうちょい踏み込んだものが書けるようになりたいものです。
感想ありがとうございました。ちなみに、某共産党を除けば比較的自分は親中です(笑)

>ロメルさん
あれに萌えるとは、あなたもなかなか奇特な(ry
あいや、ありがとうございますw

>壇 敬さん
分不相応すぎる感想に、これは果たして誰宛の感想なのだろうかと、ああそう言えば一番上に私の名があるしひょっとして拙作への感想!? と、これが悩み悩んだ「小一時間」の顛末です。
過分な感想、痛み入ります。でも、SF分はあなたには敵いません(笑)

>じょーもんさん
メッセで誤字報告、ありがとうございました。
じゃなくて、感想ありがとうございました。そう、確かに燕玲の描写は甘かった。そこは今作、一番悔いの残るところです。手を抜いたつもりは無いのですが、それでも気が抜けている証拠だな、なんて思いつつ、じょーもんさんのご指摘、肝に銘じて精進してまいります。次も同じような感じでやるか、分からないけども。

>栖坂月さん
いやいや、おだてても何も出てきませんよー。まあ、栖坂さんにそのように言われれば、少しは自信につながりそうな勢いです。
で、まあ父親のことですがそれは何と言うか描写不足というよりも描写そのものが見当たらないという、物書きとしてはあるまじき行為。嗚呼、何と言う……。
まあ、阿呆な父親だったんです。そういうことにしてください(笑)
感想ありがとうございました。

>招夏さん
あら、なんだか感想を急がせてしまったようで申し訳ありません。ええ、お陰さまでしっかりポイントに(殴
感動した、とはもったいなきお言葉。その言葉を聞いただけで、苦労した甲斐があったというものです。ありがとうございます。

>尚文産商堂さん
すげー尚文さんの感想だけ見ると、まるで拙作がSFであるかのようだ!

いや、そこまで遠大なテーマがあったわけではないんですがねw ややSFっぽい(神のたまわくセカイ系)舞台とガジェットを揃えて、でもその世界を使って哲学的な論理を展開するという、そういう本格的なものは自分には書ける気がしないので。そういうのは尚文さんに任せますよ(笑)
ありがとうございます。

>饅頭は空を飛ぶさん
まあ、バッドエンドで。基本、ハッピーエンドかバッドエンドか、と明確に色分けできるほどの器量は持ち合わせておりません故。作者が。そして作者、別に丸くなったというわけでもなく、たまたま書いてみたらこういう形になったという感じなので多分また元に戻ります(笑) その時は、まあ下手に構わずそっとしておいてやって下さい。
感想ありがとうございました。

>石神航さん
何と言うか、さすがというか目の付け所が違うというか、先の神レビュアー様と言い、本当誤魔化しが効かないから恐れ入る。次々指摘された部分は、自分でも少し手を抜いたというかちょっと力の入れ方を加減してしまった所です。素人風情が、何を「加減」などする必要があるか、そんな「加減」が作品の質を落とす。分かっていても、作者が根性無しなものだからつい手を抜いてしまうんだよなー、なんて。
しかし「金麗になったような錯覚」とは、これまた嬉しい限りです。一人称は殆ど書いたことがないのですが、そこまで感情移入していただけるとはまさに無上の喜びであります。ありがとうございました。



  


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